p.200-201 財政のしくみと課題
要点の整理
(1) 国の予算
①財政……政府による経済活動。地方公共団体がおこなう経済活動は地方財政という
・予算……年間の歳入(収入)と歳出(支出)の計画
②国の予算の種類
・一般会計予算……政府の一般行政にともなう財政活動が対象
・特別会計予算……国の特定事業や特定の資金運用と管理が対象
・政府関係機関予算……公共性の強い特殊法人の収支が対象→国会の議決が必要
--------------------------------------
(2) 財政のしくみと機能
①資源配分
・民間企業では十分な供給が困難となる財やサービスは,政府が供給
・例:国防や警察,社会資本の提供
②所得再分配
・所得の多い人への課税額を大きくして,所得格差を小さくする試み
・例:累進課税制度……課税所得金額の上昇→税率そのものが上昇
③景気調整
・自動安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)……好況期と不況期における有効需要の増減のいきすぎを自動的に緩和する役割をもつ
例:累進課税制度や社会保障制度
・裁量的財政政策(フィスカル・ポリシー)
不況期:有効需要の不足を補うため,公共投資を増加し減税をおこなう
好況期:有効需要を抑制するため,公共投資を減少させ増税をおこなう
--------------------------------------
(3) 公債(国債)の発行
・公債(国債)の発行増加→公債依存度の上昇→財政の硬直化→財政再建が急務
①建設公債(建設国債)……公共事業費や出資金などの財源→国会の議決で認められる
・1965年の「40年不況」を契機に社会資本を整備することを目的として発行が始まった
②特例公債(赤字国債)……人件費や義務的経費の財源→年度ごとに法律が必要
・一般会計の財源不足を補うために1975年に発行されて以来,バブル期の一時期を除いて発行され続けている