p.192-193 景気変動と物価の動き
要点の整理

(1) 景気変動の4つの局面と景気循環
①景気変動(景気循環)
・人々や企業などが経済活動する過程で,経済は景気変動を繰り返しながら成長する
・景気変動の四局面:好況→後退→不況→回復
 *激しい景気後退を恐慌という
②景気の四局面で起こる経済現象
・景気回復期や好況期:物価上昇,雇用機会が増える,在庫が減少,生産活動が活発化
・景気後退期や不況期:物価下落,雇用機会が減少,在庫が増加,生産活動が冷えこむ
→財政政策と金融政策の一体的な運用(ポリシー・ミックス)が必要
③景気変動の周期:景気変動には周期性が観測されている
キチンの波:在庫変動が要因
ジュグラーの波(主循環):設備投資の変動が要因
クズネッツの波:建設投資の変動が要因
コンドラチェフの波:大きな技術革新が要因

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(2) インフレーションとデフレーション
インフレーション(インフレ)……物価が継続的に上昇する現象
原因 ・好景気時に需要が供給を上回るために発生(ディマンド・プル・インフレ)
・賃金上昇,原材料の輸入価格の上昇(コスト・プッシュ・インフレ)
影響 ・モノやサービスの価格が上昇することで収入が増加し,経済活動が活発になる
・現金の価値が下がるため(価格が値上がりする)生活は苦しくなりやすい
・不況下でも物価が上昇する現象をスタグフレーションという
デフレーション(デフレ)……物価が持続的に下落する現象
原因
・不況で消費者に購買力がない場合
・企業の生産力が上がり,財・サービスの生産費用(コスト)が低下する場合
・円高やグローバル化による競争激化によって価格競争が起こる場合
影響
・モノやサービスの価格が下落するため,消費者は安く商品を購入できる
・賃金下落などがともなうことが多く,デフレによる需要減退が不況をさらに加速するとデフレの悪循環(デフレスパイラル)が起こる