p.190-191 国民所得と私たちの生活
要点の整理
(1) さまざまな経済指標
①国民所得の構成
・国内総生産(GDP)=1年間の国内総生産額-中間生産物(原材料費)
働く人の国籍ではなく,どこの国で生産されたかを基準にする
・国民総生産(GNP)=GDP+海外からの純所得(同じ国籍をもつ人が海外で稼いだ所得)
どこの国で生産されたかではなく,働く人の国籍を基準にする
海外で活躍する日本人の所得→日本のGNPに加算
・国民総所得(GNI)……国民総生産を所得面から捉えた指標
GNIとGNPは金額では同額になる
・国民純生産(NNP)=GNP-固定資本減耗
固定資本減耗……生産物をつくり出すために使った機械などがすり減った部分
・国民所得(NI)=NNP-(間接税-補助金)=GNP-固定資本減耗-間接税+補助金
②三面等価の原則
・NIは,国民が生産した財やサービスの総額であり,それが国民に所得として分配され,その分配された所得が国民により支出されることになる
→NIには生産・分配・支出の三局面があり,金額的には等しい=三面等価の原則
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(2) GDPの特徴
・GDPは新たに生み出された付加価値であるため,総額から重複分を引く必要がある
・GDP(総額)が大きくても,人口が多ければ1人あたりのGDPは小さくなる
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(3) 経済成長率
・経済成長……国民経済の規模が拡大すること
・経済成長率(%)……1年間のGDPの増加率ではかる
=(ある年のGDP-前年のGDP)÷前年のGDP×100
・名目経済成長率……物価変動率を考慮しない成長率
・実質経済成長率……物価変動率を除去した成長率
→両者を比較しながら経済の状況を見ることが重要となる
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(4) フローとストック
・フロー……一定期間に生み出された量 例:GDP,GNP,NIなど
・ストック……建物や機械などのように長期間にわたり蓄積された量を一時点で計量したもの 例:国富