p.166-167 バブル経済崩壊後の日本経済
要点の整理
(1) バブルの発生と崩壊
①バブルの発生
・プラザ合意(1985年)による円高→円高不況→日銀による公定歩合引き下げ(1987年)
→余剰資金が土地・株式へ流入
→資産インフレによる好景気(バブル経済:経済の実力から離れた景気)
②バブルの崩壊
・景気の過熱→日銀による金融引き締め・金利引き上げ(1990年),政府による地価抑制策
→バブル経済の崩壊(1991年)
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(2) バブル経済崩壊後の日本
・三つの過剰(整備・人員・負債)→利益が出にくい企業体質,賃金低下,消費低迷
→金融機関の不良債権問題,デフレーション(物価が持続的に下落)
・日銀はゼロ金利政策や量的緩和政策を実施→効果が出ない(失われた10年)
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(3) 今日の日本経済
①構造改革と格差の拡大:小泉内閣(2001~06年)
・市場原理を重視した規制緩和,「小さな政府」をめざす構造改革
・アメリカや新興国への輸出→いざなみ景気(所得上昇がない「実感なき好景気」)
・労働者派遣法の改正→非正規雇用の増加
・リーマン・ショック(2008年)→世界同時不況→失業者増加
→所得格差の拡大
②「アベノミクス」とデフレからの脱却:第二次~第四次安倍内閣(2012~20年)
・経済政策「アベノミクス」の三本の矢:「大胆な金融緩和」「機動的な財政政策」「成長戦略」
・日銀の量的・質的金融緩和,2%のインフレターゲット
→景気は一時回復するも,新型コロナウイルス感染症の拡大などにより,経済は落ちこむ