p.148-149 人種・民族問題と地域紛争(2)
要点の整理

(1) パレスチナ問題 
①パレスチナ問題の背景
・パレスチナ問題……ユダヤ人とアラブ人による,パレスチナの土地をめぐる対立
・かつてパレスチナは,古代ユダヤ人の王国であった
→その後滅亡。ユダヤ人は世界各地に離散
・7世紀以降~ アラブ人(イスラーム教徒)が進出しパレスチナに居住
・19世紀以降~ ユダヤ人が再びパレスチナへ集まり始める(シオニズム運動)
②中東戦争
・1947年 国連パレスチナ分割決議→ユダヤ人側がイスラエル建国宣言
 →イスラエルを認めないアラブ人側との間で軍事衝突→中東戦争(第1次~第4次)
中東戦争はアメリカの援助を受けたイスラエルが勝利→イスラエル占領地の拡大
③パレスチナ和平へのあゆみ
・1993年 パレスチナ暫定自治協定(オスロ合意)
→アラブ人側はイスラエルという国家を認め,ユダヤ人側は土地の一部をアラブ人側に渡し,自治を認める→「平和と土地の交換」
・ユダヤ人側がイスラエルの土地として認められていないところに移住する政策を進め,再び対立が深まっている
→2023年、イスラーム組織ハマスがイスラエルに大規模攻撃をおこない、軍事衝突

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(2) 中国の少数民族問題 
・中国には人口の約8%を占める少数民族がいるが,中国政府により,漢民族同化政策が進められている←少数民族が反発
・チベット族もウイグル族もかつて独立国であり,漢民族に反発してしばしば騒乱が発生

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(3) チェチェン問題 
・チェチェン人……チェチェン語を話す民族で,ほとんどがムスリム
・ソ連消滅後,独立運動を起こす→ロシアは独立を認めず,制圧のため軍事行動を起こす
 背景:原油産出地としての価値,ほかの少数民族に影響することの恐れ
・1992年~ チェチェン紛争→1996年 和平合意(ロシア軍は撤退)
・1999年のロシア軍再介入とロシアによる直轄統治を経て,親ロシア政権が成立

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(4) 難民問題への国際的な取り組み 
難民条約(1951,1967年)
・難民を「人種,宗教,国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受ける恐れがあるために国籍国の外にいる者」と定義
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)
・難民の国際的保護のための国際連合の機関
・避難先での雇用や教育などの面での保護や本国への帰還・第三国への定住の手助けなどをおこなう