p.138-139 核兵器の廃絶と軍縮問題
要点の整理
(1) 世界の核弾頭保有状況
・核保有国:米英ロ仏中(国連安保理常任理事国),インド・パキスタン(NPT未加盟国),北朝鮮・イラン(核開発・保有疑惑国)
・非核兵器地帯条約を結ぶ地域も非核保有国で拡大
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(2) 核兵器・軍縮をめぐる動き
①第二次世界大戦:広島・長崎に原爆投下
②冷戦:核抑止の考えが開発競争を生み,恐怖の均衡状態に→核管理・軍縮を求める動き
・1968年 NPT(核兵器拡散防止条約):多国間の核管理体制の柱,IAEA(国際原子力機関)による査察
・1987年 INF(中距離核戦力)全廃条約:米ソによる初めての核兵器削減条約→2019年失効
③冷戦後:北朝鮮の核開発など,核拡散の脅威→「核兵器のない世界」をめざす動き
・1996年 CTBT(包括的核実験禁止条約):すべての核実験を禁止 *未発効
・2010年 新START:日ロの核弾頭の配備数を制限→2023年履行停止
・2017年 核兵器禁止条約(2021年発効):核兵器保有国,日本は不参加
・2024年 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞受賞
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(3) 通常兵器の輸出入
・通常兵器輸出国の上位国に国連安保理常任理事国が名を連ねる
・輸出国1位のアメリカは,兵器産業と軍との結びつき(軍産複合体)や,兵器を紛争国などに販売して利益を得る「死の商人」が問題に
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(4) 対人地雷規制
①対人地雷
・戦争後も残る→一般市民を無差別に殺傷し,撤去に莫大な時間と費用
・対人地雷全面禁止条約(1997年):NGOの地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)らが主導
②クラスター爆弾
・親爆弾を空中で爆発させ,多数の子爆弾を地上に散布→不発弾が広範囲に残る
・クラスター爆弾禁止条約(2008年)
*対人地雷全面禁止条約,クラスター爆弾禁止条約とも,米・ロ・中などは不参加