p.124-125 国際連合の役割
要点の整理

(1) 勢力均衡と集団安全保障 
勢力均衡
・勢力の均衡を保つことで攻撃しにくい状況をつくり平和を維持する方策
・たがいの不信感から軍拡競争をまねきやすい 例:第一次世界大戦
集団安全保障
・すべての国が集団をつくり,ルール違反国が出たら残りの国で共同制裁するしくみをつくることで紛争が起こらないようにする手法
・国際連盟や国際連合はこの方策をもとに成立

--------------------------------------
(2) 国際連盟と国際連合 
国際連盟(1920年):第二次世界大戦の勃発を止めることに失敗
アメリカが不参加,日本とドイツ,イタリアは途中で脱退
・全会一致}制のため,重要決定ができないなど問題が多かった
国際連合(1945年):集団安全保障機能が強化
多数決制をとり,軍事的制裁も認める

--------------------------------------
(3) 国際連合のしくみ 
国連憲章により,6つの主要機関が設置  
総会:全加盟国で構成され,国連の機能全般にわたって討議・勧告
・全加盟国が1国1票をもち多数決で決定
・特定の問題に対処する機関例:UNICEF,UNHCR,UNCTAD,UNEPなど
安全保障理事会:国際の平和と安全について主要な責任を負う
・5か国の常任理事国(アメリカ,イギリス,ロシア,フランス,中国)と10か国の非常任理事国で構成
・常任理事国を含む9理事国の賛成により議決。ただし常任理事国は拒否権をもつ
国際司法裁判所:国家間の法的紛争について裁判で解決
経済社会理事会:さまざまな課題に対する研究・勧告
・専門機関例:IAEA,ILO,IMF,FAO,UNESCO,WHO
事務局:国連の運営に関する事務をおこなう
⑥信託統治理事会:信託統治の地域の施政を監督(現在は活動停止)