p.102-103 選挙制度の現状と課題
要点の整理
(1) 日本の選挙制度
①衆議院:小選挙区比例代表並立制
・小選挙区制:候補者名で投票→定数1の小選挙区(289人)
・比例代表制:政党名で投票→全国11ブロックの拘束名簿式比例代表(176人)
・重複立候補が可能→小選挙区で落選しても比例代表で復活当選が可能
*小選挙区での得票数が有効投票総数の10%以上の場合のみ
②参議院:選挙区制と比例代表制
・選挙区制:候補者名で投票→基本的に都道府県の区域を単位とした選挙区制(148人)
*鳥取県と島根県,徳島県と高知県は合区
・比例代表制:個人名または政党名で投票→全国1区の非拘束名簿式比例代表(100人)
*2019年より,比例区の一部に拘束名簿式とする「特定枠」を導入
③ドント方式……政党の得票数に比例して,議席を配分する
・日本では衆議院と参議院の比例代表制において用いられている
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(2) 一票の格差
・各選挙区の人口は地域によって差があるため,有権者の一票の価値に格差が生じる
・一票の格差は,日本国憲法第14条の法の下の平等に反するとして,たびたび訴訟が起こされてきた
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(3) 選挙運動とインターネット
①公職選挙法
・選挙で買収などの不正行為をおこなわれないように,選挙運動での禁止事項を定めている
例:18歳未満の選挙運動,候補者の戸別訪問や飲食物の提供
②連座制
・関係者が選挙違反をおこなって罪に問われると,候補者の当選は無効になる
③インターネットによる選挙運動(2013年から解禁)
・政党や候補者が,選挙運動期間中もウェブサイトやSNSなどに投稿できる
・有権者もインターネットを活用した選挙運動が可能
*電子メールや有料インターネット広告の使用は禁止