Responsive image

Made in Ugandaのバッグを日本に届ける

(ウガンダ・カンパラ)

仲本 千津 さん

RICCI EVERYDAY 代表取締役

Rebeccakello Ltd.Managing Director

■ウガンダで会社を立ち上げたきっかけは?

 前職のNGOでウガンダの農業支援をしていた時に,鮮やかな色合いと大胆な柄が美しいアフリカンプリントに出会いました。そして,日本にも紹介したいという想いからアフリカンプリントのバッグを制作・販売する会社を立ち上げました。ウガンダの都市部に住むシングルマザーたちは厳しい生活状況にありますが,このような社会から疎外されてきた人々でも,才能とやる気があれば働いて豊かな生活が送れる会社経営を目指しています。

■仕事で苦労した面は?

 現地の人はバックが出来ればそれで満足してしまい,品質の向上にはあまり興味を持ちません。しかし,日本で販売するためには細部の品質にまでこだわる必要があります。そのことを理解してもらうのに苦労し,出来上がった製品を何度もつくり直してもらいました。日本の品質へのこだわりや考え方を根気強く伝え,現地で高品質・高付加価値な製品をつくろうと日々試みています。

現地従業員とともにバッグのデザインを行う

■オフタイムの過ごし方は?

 仕事と観光を兼ねて,現地に暮らす様々な職人の工房を訪問しています。例えば,機織り機でキコイと呼ばれる布を織っている職人は,ナイル川の源流に近い場所にレンガ造りの素敵な工房を構えており,こうした職人の工房を巡ることがお気に入りの過ごし方です。

■ウガンダのいいところは?

 ウガンダはナイル川の源流であるヴィクトリア湖に面しています。私は渡航前,灼熱の砂漠のイメージを持っていましたが,実際は赤道直下に位置するも標高が高いため気候は穏やかで,緑が美しい国です。日本でも化粧品として販売されているシアバターが採れ,芯まで食べられる甘くておいしいパイナップルもあります。また,ウガンダの人々はとても穏やかで真面目なので,日本人と似通っているところがあるように思います。

■学生時代の経験で現在に生かされていることは?

 初めての土地に訪問する時や現地の人とコミュニケーションを取る時は,事前にその土地の歴史的背景を知ることを心がけています。私の高校時代の先生は「過去を知ることは未来をつくることだ」と,教科書の内容を勉強するだけでなく,様々な文献や資料から地理や歴史を多面的に捉える機会を提供してくれました。この教えが海外で仕事をする時に役立っていると思います。

■今後の目標は?

 付加価値の高いアフリカ製品を作り出すことで,従来のアフリカのネガティブなイメージを払拭できるようなブランドにしたいです。皆さんもぜひ多様な文化や価値観に触れ,異なる価値観を持つ人々と,どのようにより良い社会をつくっていけるのかを考えてほしいと思います。