Responsive image

現地の人とともに北方民族の暮らしを支える

(ロシア・モスクワ)

村田 涼 さん

ヤマハ発動機

■ロシアで働くようになったきっかけは?

 海外で現地の人と一緒に成果を出せる仕事がしたいと思い,海外担当業務と駐在勤務を志願しました。ロシアでは,スノーモービル・バイク・4輪バギー車を対象として,多くのお客様に満足のいく商品を買っていただけるよう,営業企画や商品企画を行っています。北極圏でトナカイの遊牧をしながら伝統的な生活を送る北方民族の方々にも,ヤマハのスノーモービルを愛用していただいています。

■仕事で苦労した面は?

 ロシアには猪突猛進型の人が多く,仕事でも締め切り間際のもう間に合わないだろうというところから,一気に巻き返しを図って見事に販売計画を達成します。一方で協力しながら計画的に仕事をすることは苦手なようですが,これは私たち日本人の得意分野なので,ロシア人の勢いと日本人の用意周到さでチームワークを発揮しながら,仕事に取り組んでいます。

■オフタイムの過ごし方は?

 長く寒い冬は屋内で過ごすことが多く,クラシック音楽やバレエ,ボリショイサーカスなどの芸術鑑賞を楽しんでいます。また,屋内でスケートをしたり,公園でクロスカントリーをしたりすることもあります。短い夏は,モスクワ川沿いでモスクワ市街を眺めながら散歩やランニングをしたり,釣りに出かけたりするなど,冬にはできない屋外でのアクティビティを楽しんでいます。

アルハンゲリスクで川釣り

■ロシアのいいところは?

 ロシアの人々は子どもに優しく,バスや電車の乗降を手伝ったり,席を譲ったり,買い物や荷物運びを手伝ったり,階段の上り下りのサポートをしてくれたりします。バリアフリーはあまり進んでいませんが,ロシア人の思いやりが子育てのしやすい環境をつくっていると感じます。また,ロシアには親日家が多く,信頼性が高いと言われる日本製品を好んで買い,刺身や蕎麦などの外国人には敬遠されがちな日本食もどんどん食べます。若者には日本のアニメやゲームが人気で,毎年開催されるコスプレフェスティバルも盛況のようです。

■ロシアの食事情は?

 ロシア料理と言えばボルシチやピロシキをイメージすると思いますが,基本的には食材の出汁がベースとなっており,日本人好みの素朴な味付けです。また,ロシア全土でウズベキスタンやジョージアなどの周辺諸国の料理を楽しむこともできます。特にウズベキスタンのラグマン(うどん)やジョージアのハチャプリ(チーズピザ)は絶品です。

■高校生に伝えたいことは?

 日本では北方領土問題やテロの報道などで,ロシアに対してネガティブなイメージが持たれがちですが,実際のロシアは日本に親しみを持つ人が多く,他のヨーロッパ諸国と比べても治安が良い国だと感じます。しかし,こうした事実は実際に体験しなければわかりません。インターネットやメディアから容易に情報が得られる時代ですが,自分の目で見て,肌で感じることを大切にしてほしいと思います。