(バングラデシュ・ダッカ)
新井 謙 さん
ロート・メンソレータム・バングラデシュ社
取締役社長
■仕事の内容は?
バングラデシュで,ロート製薬の化粧品の販売をしています。ロートグループは世界110か国以上にネットワークがありますが,すべての国に日本人が駐在しているわけではなく,ほとんどの国で現地の方がマネージメントを行っています。私は現地の責任者として社員が主体的に活動できるようにし,日本の優れた技術と現地の文化との融合を行っています。
■バングラデシュで会社を立ち上げたきっかけは?
バングラデシュの国土面積は日本の40%ほどしかありませんが,日本よりも多い約1億6千万人の人口を有しています。人口密度の高いバングラデシュは暑く,不衛生な環境や大気汚染があるため,人々の健康を支える必要があると感じました。またバングラデシュは,アジアでも貧しい国の1つですが,経済成長に伴い市場は拡大しており,国の平均年齢も20代と若いため,将来のお客様が増えていく可能性を持っています。
■日本との文化や慣習の違いで苦労する面は?
バングラデシュには,挨拶をする文化や時間を守る文化があまりありません。そのため仕事では,「なぜ挨拶が必要なのか?」「なぜ時間を守ることが必要なのか?」という議論からスタートしました。今では,社内で爽快な挨拶が交わされています。また時間を守り,互いを尊重しあうこともできるようになってきました。日本との文化や慣習の違いは尽きませんが,日本の文化や慣習を押し付けるのではなく,バングラデシュと日本の文化や慣習とをうまく融合させることに力を入れています。
■オフタイムの過ごし方は?
バングラデシュには,会員500人未満の小さな日本人会があります。他国と比べると非常に小さなコミュニティですが,その仲間たちとの小さなパーティーが楽しみとなっています。また,毎月開催される日本人会ゴルフコンペや日本商工会ゴルフコンペも楽しみの一つです。バングラデシュは,他国と比べて目立ったエンターテイメントがなく,「何もないところ」とも言えますが,何もないからこそ自分たちで創意工夫して楽しく生活しています。例えば,バングラデシュには納豆が売っていないので,大豆と納豆菌から納豆をつくっています。
■高校生に伝えたいことは?
海外は大きな学びの場です。実際に海外に飛び込んでみると,テレビやインターネットの情報からは想像もできないことが待っています。自分の進路を明確にするヒントにもなるでしょう。