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スクエア最新図説化学「マイナスイオン」という言葉を聞いたことのある人は多いと思います。
でもそれが,実際のところどういったものなのか,きちんと説明できる人は,そう多くないのではないでしょうか。ところが困ったことに,「身体にいいもの」という曖昧なイメージだけが刷り込まれてしまっている人は多く,数年前まで,「(この商品は)マイナスイオンを発生させる」の謳い文句が高い訴求力をもってしまっていました。
一方で,化学を学ぶ高校生への影響も懸念されました。「陰イオン」のことと勘違いした編集部員もいたのです,そう思い込んでしまう高校生がいたであろうことは,想像に難くありませんでした。
そこで,新刊の『スクエア最新図説化学』には,「マイナスイオン」を説明したコラムを設けることにしました。もう5年前のことになります。曰く,「化学的に十分な解明には至っていない」,「生体への影響についても,十分な検証がなされているとは言いがたい」。
教育現場からは,大きな反響をいただきました。
高等学校の先生方も,無責任な企業広告を見て,「困ったことだ」と思われていたに違いありません。
こうなると,2匹目,3匹目のドジョウをすくいたくなるのが人の常。そこで,化学に関係しそうなアヤシイ言説を探し始めたのですが,出るわ出るわ,「クラスターの小さい水は身体にいい」にはじまり,「ゲルマニウムブレスレットで血液サラサラ」,「善い言葉で水がきれいに結晶」などなど。しかし,限られた紙面の中で,これらひとつひとつに批判を加えていくことは事実上不可能です。編集担当者の手には余る仕事です。ここはひとつ,その道の専門家を探すしかない。その道の専門家に,ニセ科学の実態をご紹介いただくとともに,なぜ人は騙されてしまうのか,どうすれば騙されないですむのかを,総体的に説いていただくしかないとの結論に至りました。
そこで,白羽の矢を立てたのが,アヤシイ理屈を並べて商売をしていた浄水器のメーカーなどを,説得力のある言葉で鋭く批判されておられた天羽優子先生(山形大学准教授)です。その論理と筆力の確かさは,先生のブログなどからもうかがい知ることができ,面識もないままに,不躾な突然のメールで執筆のお願いを申し出てしまいました。先生には,お忙しい身でありながらも,幸いにご快諾をいただき,何度かのやり取りを経て仕上がったのが,本書p.44-45に見開きで掲載の特集,「ニセ科学に惑わされない!」なのであります。
「化学」だけでなく,「科学」も伝えたい。
そんなわたしたちの思いが結実したページの1つです。是非,ご一読ください。
本書は,高校化学の学習内容を完全網羅した,カラーの図解資料集です。
300余りのページに,2500点の写真を収録した圧倒的情報量が,大学入試までの学習を完全にサポートし,高校生の知的好奇心を必ずや満たしてくれるものと確信しています。
(2009年11月24日)
[監修] 佐野博敏・花房昭静
[価格] 850円(税込)
[判型] AB判
[頁数] 304頁(4色264頁 2色40頁)
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