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大会報告:第3回全国高等学校情報教育研究会

三重県立津商業高等学校  教諭  世良 清


●3回目を迎えた全国大会

 2010年8月20日(金)から21日(土)にかけて,金沢工業大学(石川県)にて,第3回全国高等学校情報教育研究会が開催された。
 この大会は,「全国の情報教育関係者が一堂に会し,講演,研究発表,協議,情報交換を通して,これからの教科『情報』のあり方や課題解決の方策を探り,実践的指導力の向上をめざすこと」を目的としている。一昨年に初めて武蔵工業大学(現東京都市大学)で開催され,筑波学院大学での第2回大会を経て,ついに関東を離れての開催となった。研究会の加盟団体は,北は北海道高等学校情報教育研究会から,南は沖縄県高等学校「情報」教育研究会まで,全国を網羅している。今回,関東地区以外で開催されることで,さらに全国大会としての形ができてきたといえる。
 第3回の大会テーマは,「ICTコンパス ―新たなる風―」。前回のテーマ「ICTコンパス―あふれる情報の波を乗りこなす―」から,「ICTコンパス」という言葉が継承された。試行錯誤ではじまった教科「情報」であるが,新学習指導要領における教科「情報」の理念の理解は進み,今大会では,多くの参加者に,情報教育現場での「課題解決」という共通のキーワードが定着しつつあることが感じられた。これこそが「新しい風」であろう。
 大会は,文部科学省初等中等教育局視学官の永井克昇先生による講演「新学習指導要領について」から始まり,4分科会と全体会を合わせて18件の研究発表と13件のポスターセッション,15社の企業展示と多彩な内容であった。全国から約260名の参加者が集まり,有意義な研究大会となった。



●これからの情報教育

 これまでと異なり,今大会は,2日間にわたって開催されたこともあり,ゆっくりと腰をすえて情報交換やディスカッションの時間をもつことができた。都道府県や地域によって異なる教育事情を意見交換することによって,さまざまなノウハウを共有し,あるいは共通の課題を発見したことで,教科「情報」の根底に流れる「課題解決」を教師自身が体験できたのではないだろうか。
 教科「情報」は,「親学問」がないといわれる。新しい教科であるとともに,小学校や中学校からの教科連続性がほとんどない点も,ほかの普通教科と異なる。それだけにまだ課題は山積しているのも確かである。これからの情報教育をどのようにつくっていくのか,私たちはしっかりと地に足をつけて取り組んでいかなければならない。
  この大会の主催者は,全国高等学校情報教育研究会であるが,実際の企画運営は,石川県高等学校教育研究会情報部会の大きな尽力によるものであった。また,関東都県高等学校情報教育研究会の支援と,文部科学省をはじめ,石川県教育委員会,日本情報科教育学会など情報教育関係学会の協力があって,3回目の大会がつつがなく継続できたものと思われる。次回の第4回大会は,さらに西に進み大阪府での開催が決まっている。東西の交流が一層進むことが楽しみである。