JFEスチール式 安全体力®機能テスト

開発者の想いdeveloper’s voice

テストの結果が皆様の企業の利益に結びつくような仕組み作り

JFEスチール株式会社西日本製鉄所

倉敷地区産業医

山下 真紀子

Yamashita Makiko

2003年
産業医科大学医学部卒業
その後、数社の産業医を経て2009年より現職
日本産業衛生学会指導医
労働衛生コンサルタント
日本医師会健康スポーツ医
PHOTO 山下真紀子先生

当社では、会社が設立された2003年から、安全衛生の取り組みの中で安全体力®機能テストの開発、実施を行ってきました。当初は労働災害防止の観点から、体力レベルが極端に低い労働者のスクリーニングとして行ってきた本テストですが、現在は様々な場面において就労可否を評価したり、回復支援に繋げたりと、活用の機会は大幅に増加しています。
一昔前までは、健康な若い男性の職場というイメージが強かった製鉄所ですが、最近は女性やシニアの方も大勢活躍しています。大きな病気や怪我の後でも、現場復帰するケースがほとんどです。このように、労働力が多様化する中では、職場環境や作業の改善により誰もが働きやすい職場を作ることはもちろんのこと、個々の労働者の体力レベルに応じた適正配置を行っていくことが重要になります。しかし、事業者、労働者にはそれぞれ思惑があり、利害が対立することもしばしばあります。そのような場合に、双方が納得した上で安全に就労してもらうために、本テストによる体力レベルの客観的な評価がとても役に立ちます。
実施するからにはテストをして終了ではなく、テストの結果が皆様の企業の利益に結びつくような仕組みとして活用してもらえればと考えています。活用するにあたり、単にテストの実施方法を示すだけでなく、当社における活用事例を多く掲載していただきました。運動指導の経験がない産業保健スタッフや人事担当者が、無理なく実施することができるようなパッケージとなっております。
このテストを導入するきっかけは企業によって様々でしょう。当社のように安全、労働災害防止のためという目的だけでなく、 怪我や病気による労働力損失の削減、または従業員の健康増進・医療費削減といった従来の健康づくり施策の一環として体力テストを導入するという目的もあるかと思います。安全体力®機能テストが、皆様の目的達成に少しでもお役に立てることを祈っております。

運動の専門家がいなくとも実施できるテストと運動プログラムを開発

JFEスチール株式会社西日本製鉄所

倉敷地区ヘルスサポートセンター

乍 智之

Nagara Tomoyuki

1981年
川崎製鉄株式会社水島製鉄所
(現JFEスチール(株)西日本製鉄所)に入社。
同所硬式野球部に22年在籍
1998年
公財)日本体育協会公認
アスレティックトレーナー資格取得
2003年
JFEスチール㈱西日本製鉄所ヘルスサポートセンターへ。

その他、
⃝岡山県体育協会スポーツ医・科学委員
⃝岡山県体育協会スポーツ指導者協議会理事
⃝岡山県体育協会スポーツ相談室講師
⃝2008年より(公財)日本体育協会公認アスレティックトレーナー岡山県協議会会長を務め、2016年に同会顧問に就任

PHOTO 乍智之先生

「安全体力®機能テスト」は、安全に作業を遂行するために必要な体力指標を定めたスクリーニングテストです。評価は5段階で行い、評価1を危険領域、評価2を注意領域、評価3を維持領域、評価4と評価5を安全領域と定めています。
 実際に当事業所における転倒災害について調査した結果、転倒リスクに関する項目において評価2以下であった方に転倒災害の発生が多いことがわかりました。このことから、評価1と評価2の人に対して、それぞれに適した方法で運動指導等を行う体制を整えています。
 今回ご紹介している運動プログラムは、運動の専門家が在籍していない事業所でも実施できるよう、これまでに効果が認められた運動を選んで、更にテスト項目毎に3つの負荷レベルに分類しています。体力の改善が必要と判定された場合は、安全に作業を遂行できる体力水準まで早く回復させるという目標を持って、徐々にレベルアップして頂ければと思います。
 また、当事業所では日常的に体力の維持・向上を図るため、2種類の職場体操を実施しています。一つは筋骨格系疾患を予防するため、作業の種類や姿勢を分析して開発した「アクティブ体操®」partⅠであり、もう一つは転倒予防対策として開発し、複数の職場で転倒リスクの改善効果が見られた「アクティブ体操®」partⅡです。これらの体操もコンテンツの中に入れています。スポーツ選手が日々良好なコンディションを維持するためにストレッチやトレーニングなどを行うように、事業所において怪我を予防し、安全に作業を行うための日々のコンディショニングプログラムとしてご活用頂ければと考えています。
 2004年から、このような取り組みを段階的に行ってきた結果、2016年現在、筋骨格系疾患の休業件数、休業日数とも減少し、また中高年齢者の転倒災害も減少しています。
 是非、この「安全体力®機能テスト」を多くの企業でご活用頂き、体力低下が原因となる労働災害を未然に防ぐための一助となるよう心より願っています。